SPY

敵を倒しながら走り続けること数十分、ついにシリウスたちはリヴァイが閉じ込められている部屋についた。頑丈な鍵が三つもつけられている。

「……でも、僕たち特殊工作員にはこんなもの効かないよ！」

シリウスはポケットの中から針金を取り出し、鍵穴をいじる。一分もしないうちに全ての鍵を開けることができた。ガチャンと音を立てて最後の一つが外れると、シリウスは「リヴァイ！」と言いながら重いドアを開ける。

「……シリウス？」

部屋は薄暗く、埃っぽい。小さなベッドと簡易トイレ以外何もない部屋の隅で、足首に枷をつけられたリヴァイが小さくなって震えていた。その顔には殴られた痕がある。

「リヴァイ、助けに来たよ！一緒に逃げよう！」

「敵と戦ってんのは俺だ。つまり、リヴァイを助けたのは俺ってことだろ」

「違うって〜！」

枷を外していると、途中でライが「俺、めちゃくちゃ頑張って敵を倒したんだからな」と自慢を始め、シリウスが「うるさい！」と怒鳴る。その様子を見てリヴァイが笑った。