裏の社会―日本の2トップ

【麗奈 cide】



「お嬢。こちらへ車をご準備しています」



『ありがとう。秋も一緒に行く？』



「あぁ。そうする」



「では、どうぞ」



黒川はいつも私をリードしてくれる


車に乗る時は手を差し伸べてくれるし、学校に着いた時だって。

仕事の依頼の時でもいつなんどき、何があろうとも、私のことを大優先に考えてくれる



黒川には伝えるつもりは無いけど、好き…なんだ。



初恋は秋だった



だけどいつの間にか、黒川のことが気になって、気づいたら好きになってた



ちょろい女とかじゃ、ないけど



黒川のことは誰かどう見てもきっと皆口を合わせてイケメンという



モデルでもしてるの！？ってくらいかっこいい



こんなかっこよくてなんでも出来る黒川と私がいい感じ〜になんてできっこない



初恋は叶わないって言うけど、初恋じゃなくても叶わない



私は可愛くもないし、優しいわけでもない



こんな取り柄のない私なんか可愛い主人公なんてなれない


主人公の引き立て役のモブキャラに過ぎない

そもそもモブの私の出番なんて、ない