歳の差 ~15歳年下男子は、恋愛対象ですか?~
「ああ、中谷くん、早かったね。所長は・・・一緒じゃないの?」
「広瀬社長、お疲れさまです。所長はもう1件寄ってから来るみたいで、ここで合流になってます」
「そうか・・・そしたら先にランチ食べてようか」
「じゃあ、お茶入れますね~」
私、原田 瑛美、37歳。
ファイナンシャルプランナーとして、主に年金や税金関係の相談業務を担当している。
社長の広瀬も同業で、不動産や相続をメインに年齢層高めの顧客を多く抱えている。
社長と一緒に仕事をするようになって6年が過ぎた。
任せてもらう仕事の範囲も広がって、相談業務や税理士さんとのやり取りもひとりでこなせるようになってきた。
その税理士さんのひとりが、中谷さん。
最近は頻繁にメールや電話をしたり、今日のように直接オフィスで打ち合わせすることもあった。
「ところで中谷くん、結婚は?」
「広瀬社長、いきなり来ますねー」
「ハハハ。中谷くんはいまいくつだっけ」
「37です」
「おっ、瑛美ちゃんと一緒だな」
「ちょっと社長、年齢バラさないでくださいよっ!」
「えー、原田さん同い年だったんですか!」
「アハハ、そのようですね」
遅くなってすみません、と税理士事務所の柴田所長がオフィスに入ってきた。
「あぁ柴田さん、お先にいただいてましたよ」
「お! 海鮮丼、美味そうですね」
「所長にもお茶お持ちしますね」
「ありがとう、原田さん」
「いまね、中谷くんに結婚してるのか聞いてたところですよ」
「あー、それは、ねぇ、中谷」
「えぇ、まぁ、なんというか・・・私、離婚してまして」
「そうか、中谷くんバツイチなのか~」
「税理士試験と仕事の忙しい時期が何度か重なって、まだ若かったこともあって、自分のことで精一杯でしたね・・・」
「そうだったのか、詳しくは聞いてなかったな」
「ごめん中谷くん、余計なことまで話させちゃって」
「あ、いえ本当のことなんで」
給湯室でお茶を入れながら、3人の会話を聞いていた。
そうなんだ、中谷さん離婚したんだ。原因は忙しさ・・・か。
「所長、お茶どうぞ」
「あー、ありがとう。広瀬さん、いつもランチ用意してもらってすみません」
「いえいえ、こちらこそ毎回来ていただいて。じゃ早速ですが食べながらで、こないだ電話で話した相続の件・・・」
今日の打ち合わせは私の案件ではなかったから、ランチ前に途中だった年金関連の書類作成を再開した。
しばらくすると、中谷さんが何かを持って私の席に来た。
「原田さん、これ、良かったら・・・。前に、ここのチーズケーキが好きだって聞いたから、来るときに寄って来た」
「え、わざわざ? 遠回りでしたよね」
「あ、全然。こないだ急ぎで書類を届けてもらったお礼に。所長からもよろしくって」
「じゃあ、遠慮なく。ありがとうございます」
「保冷剤たくさん入れてもらったけど、冷蔵庫に入れてね」
「はい」
「じゃ、戻るから」
冷蔵庫にチーズケーキをしまいながら、打ち合わせ中の中谷さんを見た。
真面目な横顔もいいなぁ・・・。
あれ、私、中谷さんのこと、結構意識してる!?
「広瀬社長、お疲れさまです。所長はもう1件寄ってから来るみたいで、ここで合流になってます」
「そうか・・・そしたら先にランチ食べてようか」
「じゃあ、お茶入れますね~」
私、原田 瑛美、37歳。
ファイナンシャルプランナーとして、主に年金や税金関係の相談業務を担当している。
社長の広瀬も同業で、不動産や相続をメインに年齢層高めの顧客を多く抱えている。
社長と一緒に仕事をするようになって6年が過ぎた。
任せてもらう仕事の範囲も広がって、相談業務や税理士さんとのやり取りもひとりでこなせるようになってきた。
その税理士さんのひとりが、中谷さん。
最近は頻繁にメールや電話をしたり、今日のように直接オフィスで打ち合わせすることもあった。
「ところで中谷くん、結婚は?」
「広瀬社長、いきなり来ますねー」
「ハハハ。中谷くんはいまいくつだっけ」
「37です」
「おっ、瑛美ちゃんと一緒だな」
「ちょっと社長、年齢バラさないでくださいよっ!」
「えー、原田さん同い年だったんですか!」
「アハハ、そのようですね」
遅くなってすみません、と税理士事務所の柴田所長がオフィスに入ってきた。
「あぁ柴田さん、お先にいただいてましたよ」
「お! 海鮮丼、美味そうですね」
「所長にもお茶お持ちしますね」
「ありがとう、原田さん」
「いまね、中谷くんに結婚してるのか聞いてたところですよ」
「あー、それは、ねぇ、中谷」
「えぇ、まぁ、なんというか・・・私、離婚してまして」
「そうか、中谷くんバツイチなのか~」
「税理士試験と仕事の忙しい時期が何度か重なって、まだ若かったこともあって、自分のことで精一杯でしたね・・・」
「そうだったのか、詳しくは聞いてなかったな」
「ごめん中谷くん、余計なことまで話させちゃって」
「あ、いえ本当のことなんで」
給湯室でお茶を入れながら、3人の会話を聞いていた。
そうなんだ、中谷さん離婚したんだ。原因は忙しさ・・・か。
「所長、お茶どうぞ」
「あー、ありがとう。広瀬さん、いつもランチ用意してもらってすみません」
「いえいえ、こちらこそ毎回来ていただいて。じゃ早速ですが食べながらで、こないだ電話で話した相続の件・・・」
今日の打ち合わせは私の案件ではなかったから、ランチ前に途中だった年金関連の書類作成を再開した。
しばらくすると、中谷さんが何かを持って私の席に来た。
「原田さん、これ、良かったら・・・。前に、ここのチーズケーキが好きだって聞いたから、来るときに寄って来た」
「え、わざわざ? 遠回りでしたよね」
「あ、全然。こないだ急ぎで書類を届けてもらったお礼に。所長からもよろしくって」
「じゃあ、遠慮なく。ありがとうございます」
「保冷剤たくさん入れてもらったけど、冷蔵庫に入れてね」
「はい」
「じゃ、戻るから」
冷蔵庫にチーズケーキをしまいながら、打ち合わせ中の中谷さんを見た。
真面目な横顔もいいなぁ・・・。
あれ、私、中谷さんのこと、結構意識してる!?