歳の差 ~15歳年下男子は、恋愛対象ですか?~
私が泣いている理由に気付いたんだろうか。
それも、嬉し泣きから諦めの涙に変わったことも含めて。
「俺、結構本気なんだけど」
「本気?」
「ずっと一緒にいるって」
「え? でも・・・」
「もちろん、毎日朝から晩まで一緒にいることはできないけど、何かあっても、何も無くても、いつもそばで『大丈夫だよ』って言うよ」
大丈夫だよって、言うよ・・・。
笑っても、泣いても、怒っても、失敗しても。
いつだって『大丈夫だよ』って言ってもらえる存在があるとしたら、どれだけ安心していられるだろうか。
「ケガした時にそう思った。それまで周りにいた大人たちは、俺にもう価値が無くなったからか誰もいなくなったけど、俺、ひとりじゃなかったんだ」
「うん」
「先生や看護師さん、リハビリの先生たちがいつも『大丈夫だよ』って言ってくれて。身体が言うこと聞かなくて、思うようにいかないことも多かったけど、それでも『大丈夫だよ』って」
「そっか・・・」
「最初は気休めかと思ったけど、本当にありがたかった」
「そんなことがあったんだ・・・」
「だから俺も、俺の大事な人には、できるだけ一緒にいて『大丈夫だよ』って言いたい。そういう大人になろうって決めたから」
「北原くん・・・」
「でも、他には何も無いんだよね。サッカーしかやってなかったのに、それもできなくなったからさ・・・」
「じゃあ・・・」
「じゃあ?」
「これから一緒に探そうよ。大丈夫だよ、絶対見つかる」
「あ・・・」
自然に出た『大丈夫だよ』という言葉。
そう、大丈夫なのだと信じることができれば、素直に口にできる。
私も、そういう存在でいたいと思った。
家に帰ってからも、ずっと一緒にいることの意味を考えていた。
誰が正解とか、何が正解ではなく、私がどう考えるかだ。
もう中谷さんに返事をしよう。
このままズルズル延ばしても、3人ともすっきりしない時間を過ごすだけだから。
そして、北原くんと一緒にいることを選んでも、未来を憂いて不安ばかり抱えて過ごすのも無しにしよう。
一緒にいることを選んだ自分に、『大丈夫だよ』と言ってあげたい。
何が起こっても、どんな結果になっても、この道を選んだ私自身に『正解だったよ』と。
ほろりと涙がこぼれた。
そう決めたところで、全く迷いが無いわけではない。
相変わらず真面目で頑張ってしまう自分も、恋に悩んでフラフラしている自分も、全部が私なんだ。
そんな自分を、受け入れてあげたいと思った。
その時、ブブ・・・とスマホが震えて、北原くんからメッセージが届いた。
『俺の気付かないところで、泣いたりしないで』
どこかで見ているの?・・・メッセージを見て思わず微笑む。
どう返信しようかとしばらく考えて、こんなメッセージを返した。
『北原くんがいるから、大丈夫だよ』
それも、嬉し泣きから諦めの涙に変わったことも含めて。
「俺、結構本気なんだけど」
「本気?」
「ずっと一緒にいるって」
「え? でも・・・」
「もちろん、毎日朝から晩まで一緒にいることはできないけど、何かあっても、何も無くても、いつもそばで『大丈夫だよ』って言うよ」
大丈夫だよって、言うよ・・・。
笑っても、泣いても、怒っても、失敗しても。
いつだって『大丈夫だよ』って言ってもらえる存在があるとしたら、どれだけ安心していられるだろうか。
「ケガした時にそう思った。それまで周りにいた大人たちは、俺にもう価値が無くなったからか誰もいなくなったけど、俺、ひとりじゃなかったんだ」
「うん」
「先生や看護師さん、リハビリの先生たちがいつも『大丈夫だよ』って言ってくれて。身体が言うこと聞かなくて、思うようにいかないことも多かったけど、それでも『大丈夫だよ』って」
「そっか・・・」
「最初は気休めかと思ったけど、本当にありがたかった」
「そんなことがあったんだ・・・」
「だから俺も、俺の大事な人には、できるだけ一緒にいて『大丈夫だよ』って言いたい。そういう大人になろうって決めたから」
「北原くん・・・」
「でも、他には何も無いんだよね。サッカーしかやってなかったのに、それもできなくなったからさ・・・」
「じゃあ・・・」
「じゃあ?」
「これから一緒に探そうよ。大丈夫だよ、絶対見つかる」
「あ・・・」
自然に出た『大丈夫だよ』という言葉。
そう、大丈夫なのだと信じることができれば、素直に口にできる。
私も、そういう存在でいたいと思った。
家に帰ってからも、ずっと一緒にいることの意味を考えていた。
誰が正解とか、何が正解ではなく、私がどう考えるかだ。
もう中谷さんに返事をしよう。
このままズルズル延ばしても、3人ともすっきりしない時間を過ごすだけだから。
そして、北原くんと一緒にいることを選んでも、未来を憂いて不安ばかり抱えて過ごすのも無しにしよう。
一緒にいることを選んだ自分に、『大丈夫だよ』と言ってあげたい。
何が起こっても、どんな結果になっても、この道を選んだ私自身に『正解だったよ』と。
ほろりと涙がこぼれた。
そう決めたところで、全く迷いが無いわけではない。
相変わらず真面目で頑張ってしまう自分も、恋に悩んでフラフラしている自分も、全部が私なんだ。
そんな自分を、受け入れてあげたいと思った。
その時、ブブ・・・とスマホが震えて、北原くんからメッセージが届いた。
『俺の気付かないところで、泣いたりしないで』
どこかで見ているの?・・・メッセージを見て思わず微笑む。
どう返信しようかとしばらく考えて、こんなメッセージを返した。
『北原くんがいるから、大丈夫だよ』