学校1人気の先輩は私だけを溺愛する。
「……愛奈ちゃんが電車でいいならいいけど……美里は? どうするの?……もちろん電車よね?」

「………うん」

「そう」

……お姉ちゃん、電車通学になるんだ……。

今度から一緒に行けるかな……。







「愛奈ちゃん、おはよう!」

朝、お母さんに声をかけられて戸惑ってしまう。

「えっ……お、おはようございます……」

そうだ……私が甘やかされているんだ。

あ、ご飯作らなきゃ……。

「何してるの? ご飯なんて……つくらなくていいのよ?」

え……?

「で、でも……」

「美里が作るわよ。 あいつ……なんで起きてないのかしら……」

お姉ちゃんが、作るんだ……。

「だ、大丈夫です……わ、私が作るので……」

「え? な、何で?」

「つ、作りたい、ので……」

「そ、そう?……愛奈ちゃんは美里に甘すぎるのよ」

甘すぎる……?

「あんな何の取り柄もない奴……使って当然だわ」

何の取り柄も、ない?
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