学校1人気の先輩は私だけを溺愛する。
「え?」

「先輩に彼女がいるって思って……悲しかったです……」

「それって……」

私の気持ちを伝えるなら……今、だよね……。

「好き、です……」

「俺と同じ……好き?」

「はい……」

これは恋愛としての好き。

「じゃあ……付き合ってくれるってこと?」

「はいっ……!」

先輩の言葉に勢いよく頷く。

ーぎゅっ

え……⁉︎

「せ、先輩⁉︎」

抱きしめられ、戸惑ってしまう。

「ごめん……しばらくこうさせて。 今、愛奈ちゃんと付き合えて幸せを噛み締めてるところだから」

「……っ」

そん、な……。

私なんかと付き合うだけで、幸せなんて……。

私なんかのことで……幸せなんて言ってくれた人なんて、いないのに。
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