学校1人気の先輩は私だけを溺愛する。
「ちょっと〜ド直球に言い過ぎだって〜」

「本人自覚してなかったらどうするの〜?」

「確かに大変かもね〜」

……胸が、苦しい……。

私、何かしたっけ?


……昔から人気者にはなれない。

いつも嫌われ者。

なんで? どうして?
仕方ない、ことなのかな……。

できれば仲良くしたいのに……。

少しでいい。 話してくれればそれでいいから……。

「はい。授業始めるぞー!」

先生の声で周りの人の声が静かになる。

「えーっと、前回はここまで読んでもらったから……加藤!教科書、26ページを答えてくれ」

「はい」

先生に当てられ席を立つ。

あれ……?
教科書が、破って……ある?

……って人が破ったって考えるのは良くないよね!
自分で破いちゃったのかな……。

でも、このページは昨日予習したところだから自習ノートに書いてるはず……!

急いで自習ノートから昨日したところを探す。

あ、あった!

そこに書いてあった答えを発表すると、先生の顔が明るくなった。

「素晴らしい!正解だ……!難しい問題なのによく分かったな!みんなも見習うようにー!」

「うわ……またあいつが褒められてる」

「先生からは好かれてるよな」

「あんな奴見習いたくねーよ」

……まただ。 でも、仕方ない……。
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