学校1人気の先輩は私だけを溺愛する。
彼女、じゃないのに……。
先輩は嫌じゃないのかな……?

心配になり、先輩の方を見る。

「ん?」

「い、いや!なんでもないです……!」

目、合っちゃった……。

先輩のこと見てるって思われたかな……。は、恥ずかしいっ……。

「ねー、どうしたの?」

「えっ……な、何がですか?」

「さっき……俺のこと見てたよね?」

「み、見てないですよ……!」

「嘘」

「う、嘘じゃ無いですよ!」

「ふーん……じゃあ、いいけど」

納得してくれたみたいで良かった……。

「……なんて、言うと思った?」

「え……?」

ードンッ

「あ、あの先輩……?」

先輩に壁ドンをされて、戸惑ってしまう。

「言うまで逃さないから」

「え……あ、あの……」

「ほら、早く言わないと」

「ひ、人が来たらどうするんですか!」

今、私達が居るのは学校の廊下。

「大丈夫。もう皆んな帰ったし、先生も来ないって。だから、愛奈ちゃんが言うまで何時間でも離さないからね?」

そ、そんな……。
い、言うしかないのかな?

「み、見てましたっ……!だからその……離れてください……!」

「やっぱり見てた。早くそう言えばいいのに……で?離れてって?ん〜どうしようかな〜」

し、心臓がもたないから本当に離れて欲しい……!

「なんで離れて欲しいの?」

「え?」

何でって……。

「言ってくれたら離す」

さ、さっきと話が違う……!
さっき答えたので離してくれるはずじゃ……⁉︎

先輩が何がしたいのか分からない……。
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