学校1人気の先輩は私だけを溺愛する。

家族

先輩とお別れして、一人で駅から家までの道を歩く。

家に、帰りたくないな……。


そんなことを思っていたら、すぐに家についってしまった。

駅から家まではすぐで3分くらいで着いてしまう。


そっと家の扉を開ける。

「た、ただいま……」

「……」

いつものように返答はない。

手を洗って、2階の自分の部屋に向かう。

自分の部屋に行く途中にちらっとリビングを覗く。

あ、お母さん居る……。
テスト結果……伝えるべきかな……。

「お、お母さん……」

「……何?」

いつもの冷たい口調。

「あ、あのね……テスト結果が返ってきて……」

そう言って、テスト結果が書いてある紙をお母さんに渡す。

「い、一位だったよ……!」

「……でも満点じゃないじゃない」

「え……?」

満点じゃ、ない?

「で、でも……頑張ったんだよ?」

「頑張っても満点じゃないと意味ないのよ!」

意味が……ない?

お母さんの言葉にショックを受ける。

「ただいまー!」

「あら!お帰り!」

あ……お姉ちゃん……帰ってきたんだ……。

お母さんの声のトーンが上がる。

「今日、テスト返ってきたんでしょう?」

「うん、いつも通り満点だよ」

「そう……!流石ね!……それに比べて……」

お母さんが冷たい目で私を見る。

「あ、そうそう!今日、お母さんの友達からね、ケーキを頂いたの!」

「え!本当⁉︎」

「えぇ!美里(みさと)ちゃんが食べたいなら、すぐ用意するわ!」

「やった!……愛奈は食べないでいいでしょ?」

「え?」

「当たり前よ!こいつなんて、食べる資格ないわ」

自分の部屋に……戻ろう。

そう思い急いで階段を駆け上がる。

『頑張っても満点じゃないと意味ないのよ!』
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