学校1人気の先輩は私だけを溺愛する。
「は、はい……」

女の人に手首を握られ、何処かに連れて行かれる。

どこに連れて行かれるんだろうっ……。



「誰もいないわね」

「え……?」

しばらく歩いて連れてこられたのは使われなくなった教室。

入学してまだそんなに経っていないから、ここがどこか分からない。

「あのさ……あんた最近何颯斗くんと一緒にいるの?」

颯斗、くん……?

先輩を“くん付け”で呼んでいるから、先輩だと思う。

「もう、颯斗くんに近づかないでもらえる?」

「え?」

なぜか、その言葉に胸が苦しくなった。

先輩に……会えない?

「ま、そう言うことだから……近づかないでね」

「……はい」
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