学校1人気の先輩は私だけを溺愛する。
先輩も、知ってるのかな?

お姉ちゃんは明日広めるって言ってたけど……。

今、先輩が知らなくても……帰る時には知られてるんだ。

そう思うと胸が痛んだ。

先輩に……嫌われたく、ない……。


電車が来て、電車に乗る。

「あ、愛奈ちゃん」

いつも通り……。
先輩にこうやって話すのも……最後かもしれない。

「おはよう」

「……おはようございます」

「あれ?テンション低いね?」

「え?い、いつも通りですよ!」

「……そう? それならいいけど……」






「じゃあまたね」

「はい」

“また”か……。

先輩は優しくて……私がそっけない態度を取っても怒らなかった。

だけど……今回の噂を聞いたら……今度こそ幻滅するだろう。

私をー嫌いになる。

嫌だ、そんなの絶対に嫌だ……。

でもお姉ちゃんを止めることはできない。
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