学校1人気の先輩は私だけを溺愛する。
「美里ちゃん……?」

ドアの向こうからお母さんの声が聞こえてくる。

チッ……何よ、うるさいわね……。

「どうしたの?」

「美里ちゃん……さ、さっきは疑ってごめんなさいね……お母さんは美里ちゃんのこと疑ってないからね……!」

嘘ばっかり……。

本当は疑ってるんでしょ。

「だ、大体、愛奈が悪いのよね……」

何よ、今更……。

「ね、ね? そうよね……?」

慌てながら聞き返すお母さんに苛立ちがつのる。

「違う……」

「え? 嘘はやめてよ……」

「私がしたって言ってるでしょ⁉︎」

「な、んで……美里ちゃん……」

なんでって……。

「いいじゃん、別にさ……」
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