学校1人気の先輩は私だけを溺愛する。
「…………」

「なんとか言いなさいよ!」

なんて言えば……。

「大体、あんたなんか颯斗くんに好かれてないからね」

「……っ」

お姉ちゃんの言葉に胸が痛む。

「前も言ったでしょ?……あんたのことを好きな人なんかいない、って」

「……」

「だから、勘違いしないほうがいいわよ」

「……」

そう言って、リビングに戻って行くお姉ちゃんの後ろ姿を見つめたまま、立ち尽くす。

……私はなんで、お姉ちゃんに嫌われてしまったんだろう?

私が悪いのは分かってるけど……理由が分からない。

お姉ちゃんが前言ったように、理由なんてないのかもしれない。

だけど、もし……理由があるなら知りたい。
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