学校1人気の先輩は私だけを溺愛する。
女子生徒1人がお姉ちゃんの腕を指差す。

「あ……こ、これは……」

お姉ちゃんが焦ったような声を出す。

「まさか……こいつに?」

「…………うん」

え……? 

わ、私は何も……。

「愛奈さんすみません……だから、もう……家で殴らないでください……!」

……殴ってなんか、ない。

「え……家で殴ってんの? 最低……」

「こんな可愛い美里先輩を……」

「じゃあ……颯斗先輩は騙されてる……ってこと?」

「颯斗先輩まで騙すなんて……」

また……振り出しに戻った。

もしかしたらー最初より、ひどくなったかもしれない。

ーキーンコーンカーンコーン

「あ、じゃあね……」

そう言ってお姉ちゃんは戻って行った。

皆んなの冷たい視線を感じる。

「愛奈ちゃん、こっちに来て」

由奈ちゃんが私に近づいて、手首を掴む。

「う、うん……」
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