学校1人気の先輩は私だけを溺愛する。
私の唯一の持っているものだから。

「そ、そう?……じゃあ、残しとくわね」

「あ、あと……お姉ちゃんのものはそのままにしてください……」

「え? な、何言ってるの?」

「お願い、します……」

お姉ちゃんのは、私が貰えるようなものではない。

「……そう。あ、美里を呼んできなさい」

「……はい」

どうして、お姉ちゃんを呼ぶんだろう?

何か、用があるのかな……。

「お姉ちゃん……お母さんが呼んでるよ」

「……そう、ありがとう」

お姉ちゃん……?

お姉ちゃんの暗い声に心配になる。

「ああ、来たわね。 美里、愛奈ちゃんの部屋を綺麗にしてちょうだい」

え? 私の、部屋を?

「あ、そうそう、ここにあるものはいるらしいから全部部屋に持って行ってちょうだい」

え……?

「お母さん……私、部屋変わるんですか?」

「え? 何を今更……当たり前でしょう?」

……そうだったの?

「ど、どこに……」
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