The last nightーあの日みたものはー
まぁ、そうだよねー。

聞かれるとは思っていた。

「知らない。から、今から聞きにいくの」

「今から⁉︎」

驚いた顔をする漣。

「そ。で、早退するんでよろ。担任には伝えてあるから。じゃ」

そう言って学校を出ようとする。

「待て、俺も行く」

は?馬鹿なのか、コイツは…。

「いや、アンタが来て何になるの。あの深鈴が幼馴染のあたしに何も言わず学校を退学した。この意味わかって言ってんの?」

「あぁ」

「なら付いてこないで。深鈴のことをアンタは何も知らない。深鈴にとってアンタはただの部外者なんだよ。それにあんたが深鈴のことを何も知らないのと同時に深鈴もアンタのことを何も知らない。これはあたしも一緒、そうでしょ?」

そう、漣は何も関係ない。

あたしの言葉で漣は何も言えないのか黙ったままだ。
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