いつでも側に〜一途な両片想い〜
 直ぐに、鈴と母親の暮らすマンションに行ったが、そこでも驚く。

 鈴の収入があれば、それなりのマンションに住めるはずだが、オートロックもない質素なハイツだ。

「……。いつからここに?」

「お母さんに彼氏が出来てから……」

「最近?」

「元々住んでたマンションに彼氏と住むから、お母さんの借りてた衣装部屋に……」

「はあ?元々母親の衣装部屋だったのか?」

 中に入って更に驚く。

 ワンルームに直に敷かれた布団。いるものだけを持って行ったのか、散乱したたくさんの服。鈴の物は、隅に少しあるだけで、後は冷蔵庫と洗濯機くらいしかない。

 もっと早く気づいていればと悔やまれる。
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