いつでも側に〜一途な両片想い〜
 翌日、父親の働く弁護士事務所に直人が現れた。

 女性スタッフは、イケメンの登場にざわつく。

「すみません。兵藤アカデミーの兵藤と申します」

「畑中ですね。応接室にご案内いたします」

 鈴の両親が離婚した時には、すでに父親の苗字の畑中でデビューしていた。そのため、畑中のままで今まで過ごしている。

 案内された応接室で待っていると、40代くらいのスラッとした男性が入ってきた。かなり若く見える。

「お待たせしました。畑中です」

「兵藤です」

 お互い名刺を交換した。

「お若いですが、社長さんなんですね」

「父の跡を継ぎまして、まだまだ半人前です」

 鈴の父親は、たくさんの人を見てきたが、直人を見て若くはあるが、かなりのやり手だと認識した。
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