いつでも側に〜一途な両片想い〜
「畑中さんは再婚は?」

「していません。あの時のことを未だに後悔してるんです。妻ともっと話し合っていればと……」

 後悔が伝わってくる。ここは、鈴の父親に真実を話、解決するべきだと判断した。

「畑中さん、私は鈴さんがデビューするきっかけとなったオーディション会場にいました。当時十歳だったと思います。鈴さんの笑顔を見た瞬間から、私はこの子を一生守ると決めたんです」

 鈴の父親は、直人の深い愛を感じ取った。きっと、今まで十八年の間、ただただ見守ってくれていたのだろう。

 鈴はやっと成人する年齢なのだから……。

 父親は、直人の言葉を待つ。
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