5月21日(1)
5年前春

「今日から高校生か。」

憧れの高校生。

昨日念入りに調べておいた乗車案内をもう一度確認する。

これから私が通う高校は家から電車で1時間ほどかかる都会にある。

国際語学私立高校、私は今日からその学校で英語コースに通う。

入学式と書かれている看板がおかれている校門をくぐり校舎へ入っていく。

成立100年以上とは思えない綺麗な校舎。

校舎へ入ると何人かの先生が配っている校舎案内図とクラス分けされているクラス表を受け取る。

英語コース  1年3組 29番 渡瀬 緑

ざっと全てのクラスに目を通すが当たり前に知ってる人が1人もいなくて心細い。

と思いながら、案内図に従って3組のクラスへ向かう。

クラスへ入るともうすでに席に座っている子がいた。

教卓に置かれている座席表を確認すると、席は出席番号順に割り振られていた。

私の席は真ん中の列の後ろから2番目。

少しすると、スーツを着た先生らしき人が入ってきた。

どうらやその人は担任の先生らしい。

担任の片岡信太郎先生は身長がちっちゃくて眼鏡をかけていて、とても可愛らしい先生。

どうやら新任の先生らしくてあたふたしている。

「えっと、今から皆さんに教卓に上がって自己紹介をしてもらいます。今日から1年間クラスメイトとしてね、お互いのことをよく理解しないとね。席順になってるからまずは浅田さんからね。」

簡単に自己紹介する浅田さん。

1ー29番は女子で、30ー41は男子。

どう考えてもおかしい比率。

そんなこと気にすることなく進んでいく自己紹介。

みんな声が少し小さく、自己紹介が短い。

やっぱり最初だから緊張してるのかなと思いながら、一人一人の顔と名前を覚えていく。

とうとう私の番だ。

「えっと、東京都育ちの渡瀬緑です。1年間よろしくお願いします。」

と私も簡単に済ませて席まで戻る。

出席番号で私が女子の一番最後で私の席の後ろは男子だった。

後ろの赤津竜星くんの自己紹介はとても明るく、これはムードメーカー的存在になるなと密かに思っていた。





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