婚約破棄から始まる恋~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
家具や調度品など大事なものはすべて新邸に引っ越し済みである。
旧邸にあるのは必要最小限度の生活必需品と使用人だけ。
あの家の玄関に飾ってあった絵を眺めて、リリアとのやり取りを思い出して笑い転げそうになった。しかしその衝動をなんとかこらえてサントに聞いた。
「何か変わったことはなかったか」
「はい。特にはございません。あとは旦那様がお帰りになっておられます」
「そうか、わかった。父上の食事はどうだ?」
俺は友人と食事をしてきたから少し遅くなってしまったが、話をするには父上の食事が終わってからの方がいいだろう。
詳しく聞きたいこともあるし、少々込み入った話もしなければならないだろうから。
「終えられてリビングで寛いでいらっしゃいます」
「わかった。着替えたらすぐに行く。お茶を頼む」
俺は必要な要件を聞き、着替えを手早く済ませるとさっそく父がいるリビングへと向かった。
扉をノックし部屋に入ると父はゆったりとソファに座り本を読んでいた。
「ただいま、帰りました。今日はこちらだったんですね」
「おかえり」
俺の姿を見つけた父はあいさつをすませると読んでいた本を閉じた。
「ああ。ジェフリーが知らせてくれただろう。積もる話もあるし、ここでのほうがゆっくりできるだろうと思ってね」
旧邸にあるのは必要最小限度の生活必需品と使用人だけ。
あの家の玄関に飾ってあった絵を眺めて、リリアとのやり取りを思い出して笑い転げそうになった。しかしその衝動をなんとかこらえてサントに聞いた。
「何か変わったことはなかったか」
「はい。特にはございません。あとは旦那様がお帰りになっておられます」
「そうか、わかった。父上の食事はどうだ?」
俺は友人と食事をしてきたから少し遅くなってしまったが、話をするには父上の食事が終わってからの方がいいだろう。
詳しく聞きたいこともあるし、少々込み入った話もしなければならないだろうから。
「終えられてリビングで寛いでいらっしゃいます」
「わかった。着替えたらすぐに行く。お茶を頼む」
俺は必要な要件を聞き、着替えを手早く済ませるとさっそく父がいるリビングへと向かった。
扉をノックし部屋に入ると父はゆったりとソファに座り本を読んでいた。
「ただいま、帰りました。今日はこちらだったんですね」
「おかえり」
俺の姿を見つけた父はあいさつをすませると読んでいた本を閉じた。
「ああ。ジェフリーが知らせてくれただろう。積もる話もあるし、ここでのほうがゆっくりできるだろうと思ってね」