婚約破棄から始まる恋~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
ブルーバーグ侯爵夫人side③
「今日はフローラ様はいらっしゃらないのですか?」
わたくしが経営するドレスのアトリエの一室。商談やお客の接待用の応接室で、サマンサ先生が聞いてきた。
姿が見えないのでがっかりした表情に見える。
「はい。今日は急遽用事が入ってしまい留守にしているのですわ。フローラも会いたがっていたので残念です」
「あっ。いえ、急用ができたのであれば仕方ありません。フローラ様もお忙しいでしょうから」
そうね。
今までも忙しかったけれど、別の意味で忙しくなったわ。
リチャード殿下のサンフレア語の臨時教師になるとは思わなかった。
今日もレイニー殿下と会う手筈を整えてあるのでしょう。フローラは気づいていないようだけれどもね。
「本日はこれをお持ち致しました」
サマンサ先生が手にした封書から出てきたのは正式に契約を交わすための書類。
ファイルされたものを一枚一枚取り出して、サイン等不備はないか確認する。
きちんとサインも入っており大丈夫なようだ。
わたくしが経営するドレスのアトリエの一室。商談やお客の接待用の応接室で、サマンサ先生が聞いてきた。
姿が見えないのでがっかりした表情に見える。
「はい。今日は急遽用事が入ってしまい留守にしているのですわ。フローラも会いたがっていたので残念です」
「あっ。いえ、急用ができたのであれば仕方ありません。フローラ様もお忙しいでしょうから」
そうね。
今までも忙しかったけれど、別の意味で忙しくなったわ。
リチャード殿下のサンフレア語の臨時教師になるとは思わなかった。
今日もレイニー殿下と会う手筈を整えてあるのでしょう。フローラは気づいていないようだけれどもね。
「本日はこれをお持ち致しました」
サマンサ先生が手にした封書から出てきたのは正式に契約を交わすための書類。
ファイルされたものを一枚一枚取り出して、サイン等不備はないか確認する。
きちんとサインも入っており大丈夫なようだ。