婚約破棄から始まる恋~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「お断りするわけにもいかないでしょうし、来週リチャード殿下の授業が終わった後に行ければとは思っています」

 この時間なら丸一日スケジュールを開けておけばいいので、自分としては都合がいいのですよね。また別の日となるともう一日開けなくてはいけないので、時間の効率が悪くなるのです。

 花の見頃がいつかはわかりませんが、来週がダメなら再来週で、とも思っているのですけど。

 レイ様のスケジュールと合えばですけれどもね。
 
「フローラ。あなたも忙しいのだから、無理に行くことはないと思うわよ。ダメなときはお断りしてもいいのよ?」

「……あの、お断りしてもいいのですか?」

 お相手は王族ですし、王子殿下ですけれども。

「ええ、大丈夫よ」

 どんな根拠があってのことなのか、お母様は自信満々に大きく頷きました。
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