婚約破棄から始まる恋~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
ハッと我に返ります。咳払いに現実に引き戻されて、私、今何を? ああ、私、とっても失礼なことをしたんじゃないかしら? 殿方の瞳に見惚れるなんて不躾な娘だと思われたかも……しかも相手は王子殿下ですから不快に思われて怒られたとしても仕方ありません。
しゅんと項垂れていると、手を取られて体を引き起こされました。
「実は初めてじゃないけれどね。足きれいにした方がいいね。エルサ、お願いするよ。怪我の有無も見てほしい」
初めてじゃない? どこかで会ったかしら?
「はい。畏まりました。ではフローラ様、浴室にまいりましょうか」
「俺が連れて行くよ」
言うよりも早く抱えあげられてお姫様抱っこをされていました。
「あの……一人で歩けますから」
「怪我をしてるかもしれないしね。大事にしないと」
「怪我はしてませんから、大丈夫です」
痛いところはどこもありませんし、心配しなくてもいいと思うんですけど。とにかくこの状況をどうにかしてほしいです。一度ならず二度までもお姫様抱っこされるなんて。
「いや、いや。本人が気づかない怪我があるかもしれないからね。それとも、俺が足を見てあげようか?」
「えー。それはダメです」
殿方に、レイ様に足を見てもらうだなんて、恥ずかしくて死にそうです。いえ、確実に死にます。冗談でも止めてください。私はジタバタと足を動かして抵抗しました。
しゅんと項垂れていると、手を取られて体を引き起こされました。
「実は初めてじゃないけれどね。足きれいにした方がいいね。エルサ、お願いするよ。怪我の有無も見てほしい」
初めてじゃない? どこかで会ったかしら?
「はい。畏まりました。ではフローラ様、浴室にまいりましょうか」
「俺が連れて行くよ」
言うよりも早く抱えあげられてお姫様抱っこをされていました。
「あの……一人で歩けますから」
「怪我をしてるかもしれないしね。大事にしないと」
「怪我はしてませんから、大丈夫です」
痛いところはどこもありませんし、心配しなくてもいいと思うんですけど。とにかくこの状況をどうにかしてほしいです。一度ならず二度までもお姫様抱っこされるなんて。
「いや、いや。本人が気づかない怪我があるかもしれないからね。それとも、俺が足を見てあげようか?」
「えー。それはダメです」
殿方に、レイ様に足を見てもらうだなんて、恥ずかしくて死にそうです。いえ、確実に死にます。冗談でも止めてください。私はジタバタと足を動かして抵抗しました。