婚約破棄から始まる恋~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「リチャード殿下。レディーの診察中ですよ。入ってはいけません」
先生がリッキー様を窘めます。
「でも、心配なんだ。ローラおねえちゃん、マロンを助けるために怪我したんだよ」
「リッキー様。怪我はしておりませんよ。ですから、心配なさらなくても大丈夫です」
「でもー」
レイ様が大袈裟にされて医者を手配されただけなんですけど。リッキー様はマロンの飼い主として責任を感じられたのかしら?
「先生。リッキー様を入れてあげてください。怪我してないとわかれば安心されるでしょうから」
男の子とは言っても、まだ小さい子供ですしね。多めに見てあげてもいいと思うわ。
「フローラ様がよろしければそのようにいたしましょう。リチャード殿下、今回はフローラ様のお許しが出ましたから、特別に許可いたしますが今回だけですよ」
「うん。わーい。やったー」
殊勝な顔で返事をされたリッキー様でしたが、すぐにばんざいをして喜んでいます。私を心配していたわけではなかったのかしら?
「俺も入ってもいいかな? ローラのことが心配なんだ」
次にドアから顔をのぞかせたのは、置いてけぼりを食らった犬みたいな表情のレイ様でした。
「レイニー殿下は部屋でお待ちください。レディーの診察中ですので入室禁止です」
リッキー様の時よりも厳しい口調で注意が飛びます。
「えー、そんなあ。リッキーは許可したじゃないか。だったら俺も。ホントに心配なんだ」
ドアの隙間から顔半分出していかにもな感じで訴えていますが、単に駄々っ子のようにしか見えませんけど。
「わかりました」
先生は仕方なさそうに大きなため息を吐くと、レイ様のところへ歩いていきました。
先生がリッキー様を窘めます。
「でも、心配なんだ。ローラおねえちゃん、マロンを助けるために怪我したんだよ」
「リッキー様。怪我はしておりませんよ。ですから、心配なさらなくても大丈夫です」
「でもー」
レイ様が大袈裟にされて医者を手配されただけなんですけど。リッキー様はマロンの飼い主として責任を感じられたのかしら?
「先生。リッキー様を入れてあげてください。怪我してないとわかれば安心されるでしょうから」
男の子とは言っても、まだ小さい子供ですしね。多めに見てあげてもいいと思うわ。
「フローラ様がよろしければそのようにいたしましょう。リチャード殿下、今回はフローラ様のお許しが出ましたから、特別に許可いたしますが今回だけですよ」
「うん。わーい。やったー」
殊勝な顔で返事をされたリッキー様でしたが、すぐにばんざいをして喜んでいます。私を心配していたわけではなかったのかしら?
「俺も入ってもいいかな? ローラのことが心配なんだ」
次にドアから顔をのぞかせたのは、置いてけぼりを食らった犬みたいな表情のレイ様でした。
「レイニー殿下は部屋でお待ちください。レディーの診察中ですので入室禁止です」
リッキー様の時よりも厳しい口調で注意が飛びます。
「えー、そんなあ。リッキーは許可したじゃないか。だったら俺も。ホントに心配なんだ」
ドアの隙間から顔半分出していかにもな感じで訴えていますが、単に駄々っ子のようにしか見えませんけど。
「わかりました」
先生は仕方なさそうに大きなため息を吐くと、レイ様のところへ歩いていきました。