最強な俺様と激甘な王子様
どうして自分なのか、そんな素振りもなかったのに。

ましてや、どこを好きに?

そこまで親しくしていたわけでもないし。

まともに話したのも今日で二回目。


あまりの急展開に戸惑いを隠せない。


「あ、あの、どうして私なんですか?」

「一目惚れかな。中庭で初めて会ったとき、可愛いなーって思った。」

「可愛い?嘘です。そんなはずないです。」

「羽乃ちゃん、もっと自信持ちなよ。羽乃ちゃんは可愛いよ。」

ポンポンと優しく頭に触れて、そのまま流れる仕草で耳朶を撫でられる。

恋なんて知らない私は、それだけで簡単に上気してしまう。


罪だわ。
こんな小手先の技を使うなんて。

顔がいいから様になりすぎて拒否すら忘れる。

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