好きになってごめんなさい

あ、一つだけ、一つだけあった。

一度渡海にクラブに関することでメールを送った。

でも渡海からの返信はなくて、私がただ一方的に送りつけてような感じになっちゃって
迷惑だったかなとメールを送ったことを後悔していたら、
放課後廊下の反対側から

「有明、メールありがとう」

と大声で言ってくれた。

言われると思ってなかったせいでびっくりして頭が真っ白になっちゃって

「あぁ、うん。」

と、すごく小さな声で返すので精一杯だった。

きっと私を見かけたから少し遠かったけど言ってくれたんだろう。
とてもとても嬉しかった。

なのにどうして私はちゃんと「どういたしまして」って言えなかったのかな。

渡海のことになると後悔ばかりが押し寄せる。



もう渡海とは終わったことだから。
私はもう渡海のことは好きじゃない。


きっと


きっとそう



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