好きになってごめんなさい
私と離れてから莉音は変わった。
毎日メイクして髪もきっちり巻いてる今どきのJKって感じで、
ノーメイクで、髪をセットするという習慣などない私とは住んでる世界が違う。
何より変わったのは人の悪口を平気で言うようになったことだ。
一緒にいたときからその兆候は確かにあった。
「あの子みたいな顔だったら私学校に来れない」
「あの人スタイル悪すぎて笑える」
などと他人の外見についてよく言っていた。
私はそれを聞くたびに、莉音は美人でスタイルもよくてきっと外見について悩んだことがないからそう言えるんだとずっと思っていた。
ちびで、痩せてもなくて、目は一重ではないけど奥二重で、鼻筋も通ってないし。髪は縮毛矯正はしててもくせ毛のことに変わりないし、いいとこなんて一つもない私には、その言葉はまるで自分が言われているようですごく嫌だった。
莉音のことは好きだったけどそうやって言ってるときの莉音は好きじゃなかった。