もう一度、契りを交わそう
すると男性は仕方ないなと言いたげな顔を見せた後、藍に近付いて抱き締める。そして、「愛してる。綺麗だね」と藍に甘い言葉を囁くも、藍の頭にはその言葉は入ってこない。

「今日は新しい術を試そうと思うんだ。君が永遠に私のものになる術だよ」

「えっ……」

藍が顔を真っ青にしながら聞き返している間に、幸せそうにしながら男性は酒瓶の中身を口に含み、中身を口に入れたまま藍に口付ける。

「んんっ!」

無理やり舌で口をこじ開けられ、藍の中に甘い液体が入ってくる。唇を激しく重ねられ、藍が液体をゴクリと飲み込むとようやく口が離れた。

「フフッ、可愛いね」

腰が抜けてしまっていたようで藍の腰には男性の腕が回っている。そしてそのまま床に押し倒され、藍の着物の帯に男性の大きな手がかけられた。

「君の全ては私のものだ。頭のてっぺんからつま先まで、全部だよ。そんな君の今世を手に入れられても、生まれ変わって誰かのものになるなんて耐えられない。だから、永遠に一緒にいられるようにしよう」
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