もう一度、契りを交わそう
「もしかして、前世の記憶でも思い出した？」

伊織がそう言って長い前髪をかき上げる。そこにあったのは、星のような形をしたアザだ。

「あっ、ああっ……」

藍はその場に崩れ落ちてしまう。震えた体はもう動かすことができず、逃げたくても逃げられない。

「そんなに震えなくてもいい。私も嬉しいんだ」

伊織の腕の中に捕われ、藍は胸板を必死で押して逃げようとする。だが、伊織が小声で何かを呟くと眠気が押し寄せ、藍の意識は暗闇に落ちていった。

意識を失った藍を見つめ、伊織はニヤリと笑う。そして、淡いピンクのリップクリームが塗られている唇に優しく口付けをした。

「やっと会えたね、愛しい人。私たちの住む家は用意してあるんだ。そこでまた愛し合おう。また来世でも会えるよう、もう一度術をかけないとね」

藍を抱き上げ、伊織は休憩室を出る。やっと愛しい人と巡り合い、もう一度愛し合えるのだと歓喜した。

藍が目を覚ました時にあるのは、狂気的な愛の檻である。






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