もう一度、契りを交わそう

「頑張っている一ノ瀬さんも好きだけど、ここまで無理したらいけないよ？」

「で、でも……」

藍が何かを言う前に、伊織は藍を抱き上げて休憩室のソファに寝かせる。そして優に藍が休む連絡をさせ、真希にシフトのカバーをお願いしていた。

「いいわよ〜、いっつも藍ちゃん頑張ってるんだから！これくらいお安い御用！」

真希が満面の笑みを浮かべて言ったため、藍は何も言えなくなってしまう。その時、藍の頭が優しく撫でられた。

「一ノ瀬さん、僕は今日車だから家まで送るよ。着替えてくるからちょっと待ってて」

「えっ、そんな悪いです……」

藍がそう言ったものの、伊織は休憩室を出て行ってしまった。「いいわね〜！」と赤い顔でニヤニヤしながら真希が優を連れて出て行く。一人になると、横になったのもあってか眠くなってしまった。

（ダメダメ……。寝たら、五条さんの迷惑になっちゃう……）

そう心の中で呟いても、どんどん眠気は強くなってしまう。藍の瞼はどんどん下がっていき、夢の中へと落ちていった。