もう一度、契りを交わそう
唇を奪われた後、藍の着物は脱がされ、そのまま男性の思うままにされた。そして目を覚ました後、藍の足首には枷が嵌められ、前は屋敷の中を自由に移動できたのが、この部屋の中しか歩けないようにさせられていた。

「君が私の愛をわかってくれないんだから、仕方ないよね」

藍がどれだけ泣いて「外してください!」と叫んでも、男性は笑ってそう言うだけで、藍の中に恐怖が募っていく。

男性は藍を監視するかのように自分のそばに置き、キスをしたり髪に触れたり、夜は藍を抱き締めて眠るようになった。藍は逃げることができないため、次第に諦めがついたものの、男性への恐怖は消えない。

そんなある日の夜、藍が書物を読んで過ごしていると、出かけていた男性が帰ってきたのか部屋に入ってくる。その手には酒瓶を持っていたが、顔は赤くなっていない。

「ただいま」

男性が微笑むと、藍の体が震え始める。男性に「おいで」と言われるが、藍は一歩も動くことができなかった。
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