初めてされたプロポーズと最後にされたプロポーズ【優秀作品】
その夜、私は夢を見た。
幼い頃、父と行った思い出の海。
サーファーの父は、私と母を砂浜に残してサーフィンに興ずる。
私は、いつも、父のサーフィン仲間の人の子供と砂遊びをして過ごしていた。
2つ3つ年上の男の子。
名前はもう覚えてない。
ただ「だいちゃん」とだけ呼んでいた。
「美穂ちゃん、お城作ろ?」
「うん!」
私たちは砂を積み上げてお城を作る。
実際には、砂山にはできても、お城のように細工をしようとすると、すぐに崩れてしまって全然お城にはならなかったんだけど、さすが夢の中、見事に素敵なお城が出来上がった。
「美穂ちゃん」
「なあに?」
無邪気にだいちゃんを見上げると、だいちゃんの真剣な眼差しにぶつかった。
「美穂ちゃん、大きくなったら、ボクと結婚して?」
いつになく真剣なだいちゃんに少し戸惑いながらも、だいちゃんが大好きだった私は迷うことなく答えた。
「うん! しよしよ!」
当時、幼稚園児の私と小学生のだいちゃんとの間には、微妙な温度差はあったものの、私は生まれて初めて大好きな人からプロポーズをされ、笑顔で受諾の返事をしたのだった。
目が覚めて思う。
最近、プロポーズのことばかり考えてるから、こんな古い夢を見たのかなぁ。
実際には、そのすぐ後、だいちゃんパパは海の事故で亡くなり、だいちゃんは海に来なくなってしまったから、だいちゃんの存在すら、忘れるともなく忘れてたんだけど。
幼い頃、父と行った思い出の海。
サーファーの父は、私と母を砂浜に残してサーフィンに興ずる。
私は、いつも、父のサーフィン仲間の人の子供と砂遊びをして過ごしていた。
2つ3つ年上の男の子。
名前はもう覚えてない。
ただ「だいちゃん」とだけ呼んでいた。
「美穂ちゃん、お城作ろ?」
「うん!」
私たちは砂を積み上げてお城を作る。
実際には、砂山にはできても、お城のように細工をしようとすると、すぐに崩れてしまって全然お城にはならなかったんだけど、さすが夢の中、見事に素敵なお城が出来上がった。
「美穂ちゃん」
「なあに?」
無邪気にだいちゃんを見上げると、だいちゃんの真剣な眼差しにぶつかった。
「美穂ちゃん、大きくなったら、ボクと結婚して?」
いつになく真剣なだいちゃんに少し戸惑いながらも、だいちゃんが大好きだった私は迷うことなく答えた。
「うん! しよしよ!」
当時、幼稚園児の私と小学生のだいちゃんとの間には、微妙な温度差はあったものの、私は生まれて初めて大好きな人からプロポーズをされ、笑顔で受諾の返事をしたのだった。
目が覚めて思う。
最近、プロポーズのことばかり考えてるから、こんな古い夢を見たのかなぁ。
実際には、そのすぐ後、だいちゃんパパは海の事故で亡くなり、だいちゃんは海に来なくなってしまったから、だいちゃんの存在すら、忘れるともなく忘れてたんだけど。