エリート同期に結婚を申し込まれました。
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私、櫻井里穂(さくらい りほ)は大手企業に勤める28歳。
仕事も順調、プライベートは……この前失恋しただけで順調だ。とても充実した毎日。
「里穂、ご飯食べ行かない?」
「岡部……」
同期の岡部(おかべ)。コイツは、有名大学を首席で卒業していて出世もとんとん拍子で……今では営業課長をしている。
「あんた、昇進試験あるから勉強大変って言ってなかった?」
「息抜きだよ、息抜き。だって、お前も振られ─︎─︎」
岡部の言葉を遮り、一定の距離を取った。
「……絶対、行かない。アンタなんかとは!」
「は? 何怒って……」
本当に有り得ない……なんなのよ。乙女心なんか知らなそうだもんね。
だが、結局。岡部に強引的に連行されよく行くバーに行く羽目になってしまった─︎─︎そこまでは覚えている。