エリート同期に結婚を申し込まれました。


 ***


「ねぇ……最近ペア多いよね?」

「そうか? そんなことないと思うけど」


笑ってるよ、この人。絶対、自分が課長だからって権力をつかってる。


「今日も可愛いよ」

「どうもありがとう」

「今日もダメかー……」

「私も酔って岡部の言葉を頷いたのは謝るけど私は岡部のこと」


岡部は私の唇に人差し指を当ててまるで「言わないで」と言っているみたいだ。


「なんで……」

「まだ返事、するな。今は口説いてる最中なんだから」


そう言って岡部は私の唇に唇を軽く重ねた。


「……っ!? い、今っは、しっ仕事中! だよ!?」

「知ってる」

「こんな真っ昼間から、そんなことっ! 誰かに見られたら、どうするのよっ!」


 岡部とキスをしてしまった……ウブな女子高生かよってくらい動揺している。心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかってくらいにバクバクしている。

 あぁ、どうしよう。私、岡部にドキドキしてる。




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