キレイで頭が良くても、振り向いてもらえない女
 次の日から、瑠璃子と大沢は付き合うことになり、一緒に帰ることも多くなった。それまで一緒に帰っていた琢磨は少し離れて帰ることになった。

「瑠璃子ちゃんはどこに住んでるの?」

「この町内よ」

「近くて良いね」

「大沢君は?」

「俺のことは一機で良いよ。俺は電車で一駅かな。歩いても行けるけど、時間がかかる」

「そうなんだ」

「瑠璃子ちゃんは今日暇?」

「暇って言えば暇だけど……」

「少しどこかに寄っていかない?」

「別にいいけど」

「じゃあ、誰かが言ってたお店に行こうよ」

「そうね」


 二人は新しく出来たクレープ屋に行った。

 10分くらいして店に着く。

「ここだよ」

「キレイなお店ね」

「入ろう」

 琢磨も後から店に入る。


「値段は高くて400円か」

「それくらい持ってるでしょ?」

「それは持ってるけど」

 それぞれ注文して、お金を払う。

「食べよう」

「……おいしい」

「でしょ? 女子だけじゃなくて、男子にも人気の店なんだよ」

「ふぅん」

 二人はクレープを食べて、店を出た。

「じゃあ、俺こっちだから」

「うん」


「どうだった? 瑠璃子?」

「えっ? 琢磨。いたの?」

「少し離れてな。というか、その言い方はひどいな」

「ごめん」

「帰ろうぜ」
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