キレイで頭が良くても、振り向いてもらえない女
 瑠璃子は家に帰って考えていた。

「いろんなことがあったな」

 クラスで振り向いてくれる男子がいないことに憤慨し、琢磨が助けてくれて少しずつ良くなり、大沢君に告白され、付き合うことになりクレープを食べた。

「頭がいっぱいだよ」

 瑠璃子は手で自分の胸を包み込んだ。

「初めての感覚ね」

 瑠璃子は風呂から出て、着替えて部屋に戻って布団に入った。

「疲れたから早く寝よう」


 次の日、瑠璃子は琢磨と登校した。

「今日も大沢と帰るのか?」

「うーん。誘われればね」

「お前、自分がどれほど男子に人気があるかわかってるか? ただでさえ、スタイルがいいんだぞ?」

「そういうこと言わないでよ」

「おはよう、瑠璃子ちゃん」

「おはよう」

「今日だけど、部活があるから一緒に帰れないや」

「そうなんだ」

「後で電話するから」

「うん、待ってる」


 瑠璃子は明るい気持ちで授業を受けた。いつぶりだろうか?

「絶対に付き合ってやるんだから!」

「誰と?」

「わあっ」

「瑠璃子、まだ、授業中」

「あ……」

「ごほんっ」

「すみません」

「でも、瑠璃子が明るくなって良かったよ」

「そう?」

「暗いお前はらしくないよ」

「なんか引っ掛かるけど……」

「今日は一緒に帰ろうぜ」

「うん」
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