エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

今もそう。回りを取り囲む他院の医師たちに混じり、畏敬の念を抱いている。

最初は「血が怖い」と騒いでいた芹菜も、中盤に差し掛かるころには「雅史さん、素敵!」と目を輝かせていた。

迅速かつ的確な処置は進み、いよいよ最終段階。


「閉頭に入ります」


淡々としながらも、安堵を感じさせる雅史の声が響いた。
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