エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

尚美に衝撃的な過去を聞いたその日の夜、楓は雅史のマンションにいた。

慎一と芳郎の因縁を聞いた雅史は最初こそ驚いた様子だったが、「だからといって俺たちはなにも変わらない」と笑い飛ばした。

深刻になりがちな話題のため、雅史にあっけらかんと返されたのには拍子抜け。でもその軽さに救われもした。


「楓、一緒に住もうか」


甘い時間を過ごしたあとのピロートークは彼の腕に抱かれながら。雅史が楓の髪を撫でつつ、唐突に提案する。


「え?」


いきなりのため目が点になる。


「結婚するんだから問題ないだろ」
「でも、院長の許しもいただいてないのに大丈夫でしょうか」


楓の父、芳郎も同じく。
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