エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
まるで旅行に行くようなテンションの雅史に釘を刺す。
「わかってるって。ただ、夜は自由時間のはずだ」
「夜になにをするんですか?」
夜遊びに繰り出すのかと大真面目に尋ねたが――。
「わかってるくせに聞くな」
鼻を軽く摘ままれた。
いたずらっぽく細めた目を見て意味するものを察して恥ずかしくなったため、体をもぞもぞ動かして彼から離れる。
「そろそろシャワーを浴びてきてもいいですか」
彼の腕をすり抜けようとしたが、即座に連れ戻された。
「ちょっと待て。まだ終わってない」
「えっ、終わってないって――んっ」
体を起こした雅史に組み伏せられ、唇が奪われる。一糸纏わぬ体は、雅史に触れられればたちまち熱を帯びてくる。
再びやってきた甘い時間に楓は抗うことなく溺れていった。