エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
即効性のある鎮痛剤のため、ここで飲ませようとミネラルウォーターを取りに冷蔵庫に向かう。戻った雅史は芹菜にペットボトルを手渡し、デスクに置いていたコーヒーカップを手にして彼女の向かいに座った。
芹菜はキャップを開け、錠剤と一緒に口にする。
「目眩はどうだ」
「まだちょっと……」
言いながら、彼女がこめかみに手をあてる。
顔色はさほど悪くないから、心配する必要もないだろう。少ししたら自分の部屋へ帰らせよう。
残ったコーヒーを飲み干し、テーブルに置く。
「雅史さん、昼間のことはごめんなさい」
「その件はもういい」
話したところで堂々巡りだろう。楓の悪口なら聞きたくない。
「私、雅史さんのこと本当に好きなんです。だから……」
芹菜は立ち上がり、雅史の隣に移動してきた。
「なんのつもりだ」