エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

今はきっぱりと言いきった彼の言葉を信じればいい。
お互いの父親が認めていなくても、それぞれにべつの相手との結婚を勧められていても、芹菜と過ちが起きていたとしても、雅史の気持ちを感じられればそれで。

久しぶりに会えた今だけは、都合の悪いことに目を瞑ってしまおう。


「離れてた分の時間を埋めようか」


雅史の手が楓の頬に伸びてくる。


「五日間もありますけどひと晩で足りますか?」


「やっといつもの楓に戻ったな。もちろんひと晩とは言わない。明日も明後日もその分濃密な時間を過ごそう」


ゆっくり近づいてくる雅史の顔。目を閉じた瞬間、唇が重なった。

抱き寄せられ、彼の体温を感じる。不安を消し去るようにキスに応えながら、着ているものが一枚ずつ剥ぎ取られていく。

直に素肌で触れ合いたくて、楓も雅史の洋服を脱がせにかかった。
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