エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
「そうだよね。楓さん、雅史さん、どうぞ」
「お邪魔します」
出されたスリッパに履き替え、中に足を進めていく。
二階ほどの高さのあるリビングの天井からモダンなシャンデリアが吊るされている。大きな窓は開放的で、とても爽快だ。
ホワイトレザーのコーナーソファに雅史と並んで座った。
ほどなくして菜乃花がコーヒーの香りを連れて現れる。
「いただいたものでごめんなさい。せっかくだから一緒に食べましょう」
コーヒーと一緒に楓たちが買ってきたミレーヌのケーキを並べた。先ほど話題にあがったイチゴタルトだ。
「ありがとうございます」
「菜乃花ちゃん、ありがとう」
雅史と揃ってコーヒーに口をつける。
「それにしても、一月に会ったときには付き合ってる女性はいないって言ってたのにな」