エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
調子に乗ってねだったが、雅史は二度目のお願いを叶えるつもりはないらしい。
「あまり酔わせたくないからもうやれない。そのかわり」
意味深に囁いたそのすぐ後に奪うようにして唇を塞いだ。
先ほどよりも強引に歯を割り、口腔で舌が暴れはじめる。ワインでなく雅史のキスに酔えとでも言われたみたいだ。
注がれたアルコールが楓をふわりとした心地にしたのも束の間、意識を鮮烈に戻される。彼の言っていた通り解けていく体。煽るようなキスが楓を熱く、甘くとろけさせていく。
(なんか、もう……)
全身が火照って仕方がない。
ふたりの吐息が入り混じり、キスの水音が静かな部屋に淫靡に響く。
熱くて熱くて、どうにかなってしまいそう。
ぎゅっと繋いでいた片方の手が離れ、バスローブの合わせ目から中に忍び込んできた。当然ながら下着はつけていないため、雅史の手が素肌に直接触れる。
膨らみを下から包み込まれ――。