エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
「ぁ、っ……」
甘ったるい声が、キスで塞がれていた唇の端から零れた。そんな声が自分のどこから出てくるのか不思議だ。
「かわいい声」
雅史が鼻先同士を擦り合わせてうれしそうに笑う。
「先生……私、ひどい姿を晒すかもしれません」
「ひどい?」
頷いてから先を続ける。
「乱れすぎて先生に引かれるかも」
いつも真面目ぶって澄まして仕事をしている楓からは、きっと想像もつかない姿だろう。
「それはすごく楽しみだ」
「私、本気で言ってるんです。だってキスだけでもう……」