エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

自分の体がどんな状態になっているのか、たしかめなくてもわかる。お腹の奥のほうでもどかしさが募り、それがいつ決壊してもおかしくない。


「キスだけで濡れた?」
「はっきり言わないでください」


いたずらっぽい目で意地悪に言われて、忘れかけていた羞恥が蘇る。


「言わせてるのは楓だってわかってる?」


しかもさっきから雅史は楓を名前で呼んでいるため、その声を聞くだけで胸がきゅうんとあり得ない音を立てるから堪らない。

そんなふうになる機会はこの先訪れないと覚悟していたため、その威力ときたら……。


「わかりました。すみません、余計なことを言いました。今のは全部忘れてくださって大丈夫です」
「いいや、忘れないね。素直に白状するかわいさは一生忘れない」
「一生って……! そんな意地悪言わないでください」


この行為自体、朝になったら忘れてもらったほうがいい。
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