エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
「意地が悪い自覚はないけど、まぁだとしたら、楓の声がかわいかったから仕方がない。だからもう観念して、楓も俺を名前で呼んで」
「今、思いきり話が変わりましたけど」
「目的はどちらも一緒だ」
言われてみればそうかもしれない。
「これからいやらしいことたくさんするのに〝先生〟じゃ色気がなさすぎるだろ?」
たしかに、と頭の中で理解する。
「……では、雅史さん?」
照れくささにふたをして要望に応えた。
「いいね。さっきの色っぽい声でそう呼んでみて」
「いきなり言われても無理ですから」
「それなら強制的に呼ばせるしかないな」
バスローブの合わせ目を開き、雅史はやわらかな胸元に顔を埋めた。キスだけでとろけはじめていた体に、さらなる甘美な刺激が加わる。
敏感な部分を念入りに責められ、もっと欲しがるように弓なりになる背中。革張りのソファを足で掻き、途切れ途切れの吐息が唇から漏れていく。