俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
留学して環境を変えれば、気持ちも新たになって今まであったことを全て忘れられるのではという期待もあったのだ。
向こうへ行ってももやもやとしたわだかまりが溶けることなく、結果今のような仮初の夫婦という状態になったのだが。
「専務、夜も暮れました。お仕事はいいのですが、一度も休憩取られませんでしたよね? もう皆、帰ってしまいましたよ?」
「……? そんなに時間経っていたか……」
個室で作業をしていたため、気がつくことはなかった。たしかに窓の方をみれば、すでに日は落ちておることがわかった。
内山の代行として臨時に秘書をしている女が俺に語りかけてきたことにより、ようやく気がつくとは。それほど集中していたのだろう。