俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 全て話を終えると、少しの間沈黙がまたがる。内山はミラー越しに戸惑いの表情を浮かべていた。どこか身の置き場のないような心地になり、窓の外に顔を向ける。

 すると内山はぽつりとこぼす。

「えっと……要するに玲二様はこはる様と仲直りしたいということで?」

「いや、別に喧嘩しているわけではないのだが……まあ、それに近いのか」

「そうですか。では、なにかプレゼントでも贈ってみるのはいかがですか? きっとこはる様もお喜びになられると思いますよ」

 内山の言葉になるほどと思った。
 今までこはるに直接何かをプレゼントしたことは一度もなかった。共に家具を買いに行くことはあったが、それは俺たち二人共有するものであったから。
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