俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

「……プレゼントか。どんなものがいいのか分からんな。その辺の女なら宝石かブランドもののバッグでも贈っておけば簡単に機嫌が取れるが……あいつの好みは変わってるから分からん」

 洒落た雑貨屋に行ってわざわざ実用的な調理器具を選択するくらいだ。高級すぎるものは腰が引けてしまう可能際が高い。

「そうですね…………でしたら花でも贈ってみるのはいかがでしょうか? 女性なら基本的に誰でも喜ばれるでしょうし、形に残るようなものでもないので貰った側も気後しないかと」

「ふん、なるほどな。そうだな、花にするか。花屋に車を回せ」

 俺がそう命令すると内山は「かしこまりました」と言ってハンドルを握った。

 花など自分の手で購入したことはなかった。何かの祝いで企業や店舗にフラワースタンドを贈るということは経験していたが、個人に手渡しで贈るとなるとそこまで大きいものでは困ってしまうだろう。
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